統一地方選2019

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県議選 注目区を行く(下)

2019年4月2日

◆藤枝市

 定数一増が呼び水となり、無投票だった前回選から一変した。現職二人に新人三人の計五人が三つの議席を争う。女性候補が三人出馬している。

 自民は公認候補を二人に絞り、市を南北に分けた選挙戦を展開する。

 瀬戸川を挟んだ南側は、県議会副議長を務める現職の落合慎悟さん(70)。インフラ整備など実績をアピールする。北側は、前市議長で新人の西原明美さん(57)。二〇一一年の挑戦は落選しており、「新しい風を吹かせたい」と雪辱を期す。三月の出馬会見には十数人の自民市議らが顔をそろえ、市議会との結束を印象づけた。

 自民、とくに落合さん陣営が警戒するのは、自民公認から漏れた無所属新人の池田博さん(63)。市議長の経験もあるベテランで、落合さんと地盤がかぶる。

 無所属現職の佐野愛子さん(63)は国民と社民、連合静岡の推薦を受ける。市内で小学校教諭を長年勤め、広い人脈を誇り、今回初めてJAおおいがわの推薦も得た。立民新人の川島美希子さん(47)は、ヨガを普及する市民団体代表。「母親力」をスローガンにし、自身の育児経験を織り交ぜながら子育て支援や教育環境の充実を訴える。

 女性候補が過半数に上る選挙区はほかにない。三者からは「女性議員が少ない中で喜ばしいこと」「社会が成熟している表れといえる」と歓迎する声が出る一方、「差別化を図りにくく、女性にとって厳しい選挙区」との本音も漏れる。

(佐野周平)

◆静岡市駿河区

 全選挙区で唯一、自民(二人)、立民、国民、公明、共産の主要五政党が公認候補を擁立し、夏の参院選の前哨戦と化す。最近は自民系が二議席、公明、民主(民進)系が一議席ずつ分け合ってきたが、民進分裂の影響はどう出るか。

 「旧民進票の割れ方次第で共産に議席がいく事態だ」と厳しい表情なのは、国民現職の鈴木智さん(49)陣営。連合静岡がフル回転し、夏に改選を控えた榛葉賀津也参院議員も小まめに回る。玉木雄一郎代表も応援に駆けつける予定だ。

 立民新人、杉山淳さん(56)は元民主党衆院議員の牧野聖修さんが選対トップを務める。県職員組合役員で自治労が全面支援。連合静岡も支持する。「原発ゼロ」や福祉、子ども施策の充実を訴える。陣営は国民、共産を意識し「四番目の議席争いだ」と話す。

 自民現職の二人、相坂摂治さん(45)、佐地茂人さん(48)は組織を固める。相坂さんは地元以外の後援会組織づくりを意識し、企業回りにも汗をかく。市長選に出馬する現職の後援会とも連携する。佐地さんは個人演説会を重ね、県と市の連携強化を訴える。

 現職の後継として出馬する公明新人の牧野正史さん(46)には、党の国会議員や市議が連日駆けつけ、組織の結束力を前面に出す。区内町内会の半数以上からも推薦を得た。

 共産新人の山口祐樹さん(28)は、葵区の新人や、党が推薦する市長選候補らと連携を取りながらの戦い。候補最年少も武器に、介護職員の経験を生かした社会福祉の充実を掲げる。

(沢田佳孝)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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