魅力的な浜松を 商業施設、音楽 前面に
2019年4月1日
意見を聞かせてくれた土居里華子さん(左)、高橋康幸さん(中)、鈴木麻紘さん。どんな浜松市になってほしいか、思いを書いてくれた=浜松市中区で |
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七日投開票の浜松、静岡両市長選、浜松市議選、県議選などは、十八歳以上への選挙権年齢の引き下げ後、初めて迎える統一地方選となる。故郷がどうなってほしいのか、選挙にはどれくらい興味があるのか。浜松市内の高校をこの春に卒業した三人の十八歳に疑問をぶつけてみると、頭を悩ませながらも率直な意見を聞かせてくれた。
「休みの日に遊びに行くところがあんまりない」。浜松日体高卒の土居里華子さん=中区=は、街中の雰囲気が寂しいのが気になる様子。浜松市立高卒の鈴木麻紘さん=南区=も「駅前の百貨店にないお店が(西区や東区の)ショッピングモールにあったりする。中心街に行く意味が薄れている」と不満げだ。
昔を知らない十八歳にとっては、百貨店「松菱」の跡地がぽつんとある状況も「なぜか空き地があるな」と思うぐらいで、物心ついたときから見慣れた光景。でも、バスを使う高校生が遊びに行きやすいのは郊外の大型店よりも駅前だ。二人は「若者に魅力のある商業施設をつくってほしい」と切望する。
浜松北高卒の高橋康幸さん=中区=も「音楽のまちなのに、音楽を感じられる環境が少ない」と関心を寄せるのはまちづくり。本来であれば、そんな希望を託す一票を投じられるのが地方選挙だ。
しかし、土居さんは「生活に一番、密接にかかわっているけれど、市長や市議がどんなことをしているのかは分かりづらい」。目にしやすい国政の話題に比べ、身近なはずの市政の動きはむしろ知らないことが多く「若者にはネットを通じたPRが有効じゃないかな」と指摘する。
三年前の選挙権年齢引き下げを機に、投票に備えた「主権者教育」を行う学校が増えたはずだが、高橋さんは「正直、周りで選挙に関心を持っている人は全くいなかった。受験で忙しいのが一番の原因」と話す。
確かに受験、卒業を迎える時期に行う統一地方選は十八歳にとって間が悪い面もある。三人は県外の大学に進学するため、引っ越し準備の最中に期日前投票する必要がある。三月二十九日に旅立った土居さんは、その日に告示された市議選と県議選は投票できなかった。「せっかく意思を表明できる機会なのに、どうしてこんな時期なのか。進学や就職で忙しくて投票できないという人は多くいるはず」
記者が「将来、浜松に戻ってくる?」と尋ねると、「うーん」とそろって首をかしげた。鈴木さんは「女性がしっかり活躍できるような環境がもっとあれば、戻ってきたいかも」。地元を支える若者が出てくるのかどうかは、今後の地方政治にかかっているようだ。
(鎌倉優太)
【浜松市長選候補者】
鈴木 康友 61 無現(3)
野沢 正司 69 無新=共
山本遼太郎 32 無新
(上から届け出順)