県議選 10選挙区で無投票
2019年3月30日
静岡県議選は十選挙区で計十三人の無投票当選が決まった。前回選より一選挙区増え、全選挙区(三十三)に対する割合は30・3%となった。
十選挙区ではいずれも自民議員が一人ずつ当選。三つある二人区の残りはすべて連合静岡が推薦する議員だった。六選挙区は前回選も無投票で、御前崎市は三回連続、浜松市天竜区(旧天竜市時代含む)は六回連続の無投票になった。
天竜区で七選を決めた中谷多加二さん(68)=自民=は「後援会に推されて決意し、結果的にこうなった。応援に応えられて、ほっとした気持ちはある」と述べた。
二十四年にわたり、選挙がないことに同区佐久間町の無職相沢衛(まもる)さん(77)は「(浜松市が二〇〇七年に)政令市になって県議の存在はかすんだ印象がある。多選でもいいが選挙はした方がいい。中山間地域の活性化について議論してもらいたかった」と語った。
十選挙区が無投票となったことに森正・愛知学院大教授(政治学)は「一人区では民主系が分裂のあおりで候補者を擁立できず、二人区では自民が保守を割る余力がない。この構図の中で新人の出にくい選挙となった」と分析する。
野党の候補者擁立が都市部に絞られたことに「(各政党の)資金不足が原因ではないか。供託金を没収される可能性がある郡部ではなく、定数の多い選挙区に戦力を集中させた結果だろう」と推測した。
井柳美紀・静岡大教授(政治学)は「市町村議選とは異なり、県議選は当選ラインを考えると、政党や組織の支援がなければ立候補しにくい。区割りの変更も視野に入れ、新たな候補者の進出しやすい環境を整えるべきでは」と話した。
(西田直晃、島将之)