統一地方選2019

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静岡市長選 候補者の横顔

2019年3月26日

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 四月七日の投開票に向け、現職に新人二人が挑む構図で舌戦を繰り広げる静岡の市長選候補者たち。どのような歩みをたどり、市政のリーダーとして何を志すのか。それぞれの横顔を紹介する。

(上から届け出順)

◆同世代の苦悩原点

天野 進吾(あまの・しんご)さん 77歳 無新

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 静岡市立高校二年のとき、沖縄・首里高校の生徒の作文に触れた。本土復帰前、米軍施政下にある同年代の苦しみを、その後に校内の弁論大会で代弁した。「日本人でありながら、なぜ日本人と言えないのか。復帰を後押ししなければ」。政治家を志した原点という。

 中央大法学部を卒業後に自民党県連の職員を経て、二十五歳で旧静岡市議に。二年後に「大国の姿をこの目で見たかった」と渡米した。そこで見た路上の風景が旧静岡市長時代に始めた「大道芸ワールドカップ」につながった。

 趣味は読書。詩歌をそらんじ、島崎藤村の若菜集を愛読する。静岡市内の地名の由来をまとめた自著もある。「運動はまったく駄目。選挙運動しかできない」とジョークを飛ばす。

 市議、市長、県議と肩書は変えながら、一地方政治家としての歩みは半世紀を超えた。「静岡を何とかしたいという思いだけでやってきた」

 学生結婚した妻と長男、孫二人の五人暮らし。静岡市葵区横内町。

◆政治信条 聞き上手

田辺 信宏(たなべ・のぶひろ)さん 57歳 無現

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 共働きの両親に代わり、祖母に育てられた。仏間にある戦死した伯父の遺影を前に、思い出に浸る祖母の姿に「ひとりひとりの中で戦後はまだ終わっていない」と感じた。「戦争と平和の問題を深く考えたことが今の自分自身につながっている」と振り返る。

 静岡高校、早稲田大政治経済学部を卒業後、松下政経塾へ。十代のころ、ドキュメンタリー番組「NHK特派員報告」に憧れていたこともあり、国際関係論を専攻した。

 千葉県議選に出馬した野田佳彦元首相の初めての選挙を手伝い、旧来の金権政治の打破を訴える先輩の姿に憧れた。一九九一年に旧静岡市議に初当選後、国政を志した時期もあったが、今は静岡のかじ取りこそが「天命」と語る。

 政治信条は「一人の百歩より百人の一歩」「話し上手よりも聞き上手」。趣味は万年筆の収集、出張先では必ず文房具店を探す。「服装には無頓着。いつもジャージー」。スーツを選んでくれる妻に頭が上がらない。妻と二人暮らし。静岡市葵区上足洗。

◆静岡で人生の大半

林 克(はやし・かつし)さん 63歳 無新

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 両親は静岡市内で商店を営んでいた。静岡高校を卒業し、立命館大を経て再び静岡に戻った。人生のほとんどを市内で過ごし、「静岡愛に満ちた人間」と自身を表現する。

 大学で学んだ地方自治の知識を生かそうと、市職員に。長年、労働組合の活動に携わり、静岡自治労連や県労働組合評議会の役員を歴任した。「労働相談を受けて雇用環境が悪化していると実感した」という。

 料理が得意で、来客があれば、腕を振るう。「イタリアンも和食も作る」とレパートリーは広い。朝食後にコーヒーを飲むのが日課で「ちょっと濃いめに入れる」のが好み。

 「じっとしていられない性格」で、登山と旅行が趣味。労組の役職を全て退任した昨年秋以降、パキスタンから新疆(しんきょう)までシルクロードを旅した。「山と谷がえもいわれぬ様子だった」

 労組役員以外の選挙は初めて。「緊張している」と話す。積み重ねた経験を基にした労働政策や原発災害対策などを掲げ、選挙に臨む。葵区で一人暮らし。静岡市葵区駒形通。

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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