統一地方選2019

メニュー

浜松市長選・市議選 主要5会派、臨戦態勢

2019年3月23日

 二十四日告示の浜松市長選、二十九日告示の市議選に向け、市議会の主要五会派も臨戦態勢に入っている。市長選では新人の元市議山本遼太郎さん(32)を自民党浜松、四選を目指す現職鈴木康友さん(61)を創造浜松、市民クラブ、公明党、新人の農業野沢正司(まさじ)さん(69)を共産党市議団がそれぞれ支援する構図。各会派の会長や幹事長に話を聞いた。

◆自民党浜松・戸田誠幹事長 3区賛成できぬ

写真

 現市長に対しては相反する点が多くあり、新人の山本さんを擁立した。

 市債削減に重きを置く現市政の下では、道路のインフラや中心市街地への投資、子育て支援がおろそかになっており、魅力的なまちになっているとは思えない。だからこそ人口流出が起きる。

 行政区再編に関しては、人口比がアンバランスな三区案には賛同できない。議会で合意が取れないものを無理に推し進めるのはいかがなものか。水道事業のコンセッション方式でも、現市長の言う「当面延期」ではなく、「断固反対」を山本さんなら、はっきり主張してもらえると思っている。

 市議選で掲げる会派の目標は、定数四六の半数となる二十三議席。議会は数の世界なので、現市長にノーを突きつけられる態勢を整えたい。

◆創造浜松・湖東秀隆会長 現市政評価90点

写真

 現市政への評価は今までの取り組みを含めて考えれば九十点で、十分に合格点。

 現市長には健全財政など行財政改革の実行力がある。NHK大河ドラマでの浜松のPR、天竜材のFSC認証材をはじめ、地域の課題だったものをうまく宝として活用している。農林水産の海外PRなどにも幅広く取り組んでいる。

 市長選はもちろん現市長を推す。三期十二年の実績もあるが、四期目が集大成。大きな行財政改革となる行政区再編の考えには同意している。人口減少などは顕著に数値に表れており、今こそやるべきだ。バックアップしたい。

 市議選の会派目標は、最低限は議員数七人の維持。少数精鋭だが、政党に左右されずに市民生活を第一に考えて是々非々で施策を判断し、現市長が考える施策を推進できるよう会派が一体となって選挙に臨む。

◆市民クラブ・平間良明会長 市民側、是々非々

写真

 これまで現市長の応援団として政策実現に向けて協力する一方で、市民の側に立って市当局とは是々非々の関係で向き合ってきた。

 現市長の一番の成果は産業力の強化。市外への企業流出を抑えるだけでなく、大手メーカーの工場誘致などにつなげていることは大いに評価できる。税収を増やし、地道な行財政改革で借金を減らしてきたからこそ、子育て支援も手厚くできる。

 行き当たりばったりの政策で、市の借金を増やしては困る。家庭に置き換えると、すぐに分かる。

 区再編、水道事業のコンセッション方式…。市当局がなぜ必要と考え、提案しているのか。市民は冷静に判断してほしい。情報が変に誘導されることも懸念する。

 市議選の会派目標は新人を含めて七人の当選。選挙後ほかの新人にも声を掛け、八人以上としたい。

◆公明党・小倉篤代表 子ども第一、実践

写真

 現市長の市政運営はおおむね合格点。当初から子ども第一主義を掲げ、真っ先に乳幼児と小中学生の医療費軽減に取り組んだ。乳幼児期からの虐待防止、他市と比べ人口比で多い保健師の配置なども評価したい。

 一定の成果を収めている市職員の人員配置は、行政区再編で区役所再編と同時に取り組む課題。市長とその思いは一致している。毎年度の予算編成で地域の小規模要望にも応えている。

 市長選は現職の続投に期待する。行財政改革一辺倒の印象が強かったが、不断の努力で行革は落ち着いているのではないか。総仕上げと位置付ける四期目は、浜松の将来を見据えたグランドデザインをしっかり市民に提示する必要がある。

 市議選の会派目標は、五人の候補予定者の全員当選。多くの賛同が得られる施策、公約で全力で戦う。

◆共産党市議団・酒井豊実団長 現行7区は約束

写真

 福祉をないがしろにして、企業のもうけを優先する現市長は評価できない。

 第一に市民サービスを低下させる行政区再編には反対する。七区を丁寧に発展させていくことが合併時の約束。都市内分権をしっかりと新たな形で実施しなければならない。

 「水道民営化」に関しても明らかに凍結させるためには市長を変えるしかない。

 市長選では弱者に優しい政治を訴える野沢さんを応援する。野沢さんは国民健康保険料を下げたり、高齢者向けバスタクシー券の復活を求めたりする運動に取り組んでいる。

 窓口負担費を含めた子ども医療費の完全無料化も訴えており、市長になれば福祉の充実に期待できる。市議選では全区に立つ七人全員当選を目指すが、五つの常任委員会全てに出席できる五議席の維持を最低ラインとする。

(原一文、篠塚辰徳、松島京太)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
ページトップに戻る

Copyright © The Chunichi Shimbun, All Rights Reserved.