静岡市長選 3氏争いか 天野氏、林氏 出馬表明
2019年2月26日
天野進吾氏 |
三月二十四日告示、四月七日投開票の静岡市長選で、元旧静岡市長で県議の天野進吾氏(77)=自民改革会議、元県労働組合評議会議長の林克(かつし)氏(63)が二十五日、それぞれ静岡市内で会見し、ともに無所属での出馬を正式に表明した。三選を目指す田辺信宏市長(57)=自民推薦=との三つどもえの構図が固まった。
天野氏は静岡市出身、中央大卒。市議、県議を経て一九八七(昭和六十二)年の市長選に初当選。二期目途中の九四年に業者との癒着が問題視され、辞任した。旧清水、静岡市の合併に伴う二〇〇三年の市長選に出馬し落選。県議は計九期目。会見で「静岡を活性化させるため、自分自身の残りわずかな歳月を精いっぱい、この街に使いたい」と述べた。
七十七歳での首長挑戦は、都知事選に立候補した細川護熙(もりひろ)元首相やジャーナリスト鳥越俊太郎氏の七十六歳を上回る。「決断する上で(年齢、体力は)大きな障害になったが、県議を四年するのと市長を四年するのは体力的には変わらない」と語った。
田辺市政を批判する急先鋒(せんぽう)として知られ、昨年から副知事の擁立を模索。副知事の出馬断念を受け、自身の出馬を決めた。二十五日は県議会二月定例会で一般質問に立った後、出馬会見に臨んだ。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の日本平への誘致や、水道料金の値上げ反対などを具体的な政策に挙げた。
林克氏 |
共産党が推薦を検討している林氏は「田辺市政を変えなければいけないと決意した。若者が希望を持って暮らせる静岡市をつくりたい」と述べた。
主な政策に、賃金底上げ策、再生エネルギーの振興、市役所清水庁舎と桜ケ丘病院の移転棚上げなどを掲げた。立憲民主や社民、自由、国民民主の各党にも推薦や支援を求めるという。
静岡市出身、立命館大卒。元市職員で、県自治労連書記長、同委員長などを歴任した。
相次ぐ対抗馬に、田辺市長は「現市政に対する不満があるということは厳しく承知している。この方向のまま着々と歩んでいけば、静岡市は二十一世紀にふさわしい活力のある都市になるということを愚直に伝えていきたい」と語った。
(三宅千智、瀬田貴嗣、広田和也)