統一地方選2019

メニュー

激突の構図 19年浜松市長選(上) 4選目指す鈴木氏

2019年2月24日

◆区再編へ 戦闘モード

鈴木康友氏(中央左)の総決起大会に駆け付けた鈴木修スズキ会長(右)=15日、浜松市中区で

写真

 浜松市長選は、三月二十四日の告示まで一カ月となった。四選を目指す鈴木康友氏(61)、自民系の元市議山本遼太郎氏(32)、共産党県西部地区常任委員の野沢正司(まさじ)氏(69)が名乗りを上げ、三つどもえの構図となる。鈴木氏の対抗馬として、自民が独自候補となる山本氏をなぜ担ぎ、共産も野沢氏擁立になぜ動いたのか。三者の立場から背景を探る。

 「四期目は集大成。区再編をはじめとした改革を実現する。今度の選挙は改革を阻み、過去のしがらみのある市政に逆戻りさせようとする守旧派との戦いだ。こんな戦いに負けるわけにはいかない」

 十五日夜、浜松市中区であった鈴木氏の総決起大会。前列席は経済人や与党会派の創造浜松、市民クラブ、公明の市議ら。鈴木氏は壇上に立つと、三期十二年の実績と区再編の必要性を語り、最後に声を張り上げた。名指しこそしなかったが、守旧派とは自民の市議らを指すことは明らかだった。会場にいた支援者は「完全に『戦闘モード』。彼があのような強い表現で演説したのは久しぶりだ」と、頼もしげに見守った。

 鈴木氏は市長選で、区再編を最大の争点に掲げる。二〇一一、一五年の市長選は区再編の賛否を問う住民投票を公約に加え、今回、市長選などと同時実施が決まった。自民は区再編に慎重だが、その賛否を問う住民投票にも反対すれば、完全な抵抗勢力のように映る。最大会派として他会派と調整し、市の原案を修正することで実施に応じ、イメージダウンを回避した。

 鈴木氏は、旧民主党衆院議員時代から鈴木修スズキ会長(89)の厚い支援を受ける。市が設置した行財政改革推進審議会(行革審)の主要メンバーは鈴木会長ら経済人。第二次行革審は〇九年、区の廃止または三区程度に削減するよう意見書を提出した。鈴木氏は応じる形で人口減や税収減を見据えた行財政改革として区再編を公約に掲げてきた。だが実現に至らず、四期目にかける思いがある。

 壁は、四十六議席のうち二〇を占めた自民会派だった。慎重派が多い自民は昨秋、「区再編は時期尚早」と意見集約。市議会特別委員会の議論は平行線をたどり、市の工程表は見直しを迫られることになった。鈴木氏は「個別に話せば自民にも理解者はいる」と自信を見せていたが、対立は決定的になっていった。

 それでも鈴木氏は強気な姿勢を崩さない。安倍政権が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)など複数の政策を挙げ「政権と連携し、自治体として先進的に取り組んできた。決して自民党と敵対していない」。自身の出自にかかわらず、安倍政権や自民党幹部とのパイプを生かして一月十日には党本部を訪れ、推薦依頼状を提出した。提出者名は大須賀正孝浜松商工会議所会頭や鈴木会長らを共同代表とする支援団体。現職の強みを生かし、医療、建設、農業、商工など七十団体の推薦状を添えた。

 「まったく理解できない」。独自候補として山本氏を擁立し、党県連を通じて党本部に推薦を上申していた自民市議らは、困惑した表情を浮かべた。

(浜松市長選取材班)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
ページトップに戻る

Copyright © The Chunichi Shimbun, All Rights Reserved.