統一地方選2019

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強まる「自民一強」 県議選一夜明け

2019年4月9日

 統一地方選前半戦の県議選から一夜明けた八日、当選した県議らは早速、議会運営の主導権を握ろうと、会派構成を巡って動き始めた。第一党を維持した自民には、早くも新人三人から会派入りの意向が伝えられた。無所属の当選者を取り込めば、目標に掲げる過半数の二十九議席をうかがう勢いで、県議会でも「自民一強」の構図がさらに強まる可能性が出ている。

 自民は県議選で公認した二十三人のうち、二十一人が当選し、二〇一五年の前回選で獲得した十六議席から勢力を拡大。推薦の二人を加えると改選前の二十四議席にほぼ並ぶ。

 萩原清党県連幹事長は八日、県議会内で開いた県議団の会議で「一人でも多くの方を団に入れてほしい」と協力を要請。本郷一彦団長は終了後、既に新人三人から会派入りの意向を受けていると明らかにした。今後、他会派からの受け入れも含めて積み増す考えだ。

 反対に、第二会派の「信州・新風・みらい」は流動的な状態に陥っている。国民民主の現職二人がともに落選。旧民進系の政治団体「新政信州」から推薦を受けた五人が、統一会派を組む方針を改選前に決定。同団体から推薦を受けていない保守系が警戒している。

 同会派も八日に県議会内で会合を開いて今後の対応を話し合ったが、ある現職は「リベラル勢力が主体になるなら保守系会派に入る選択肢はある」と離脱の可能性に言及した。

 公明議員ら八人でつくる第三会派の「新ながの・公明」では、公明が過去最多の四人を擁立し、全員が選挙区でトップ当選。存在感を見せつけたが、中川宏昌県本部幹事長は取材に「現在の会派構成を前向きにとらえている」と現状維持の方針を説明した。

 第四会派の共産県議団は現職二人が落選し、前回選で獲得した過去最多の八議席を下回る五議席に後退。会派として県議会で知事への代表質問の時間が与えられる「六議席」の要件を満たさなくなった。毛利栄子団長は八日の記者会見で他会派との連携について「現状では厳しい」との認識を示した。県委員会の推薦を受けた新人の小林君男さんは当面、会派に属さないで活動するという。

 最も数が少ない「グリーンライト」は現状を維持する見通し。

 こうした動きに関連し、阿部守一知事は八日、報道各社に「どういう会派構成になろうと関係性は変わらない」と答えつつ、自民に気遣うようになるのではとの問いに「県議会と良好な関係の中で活発に議論をしていくことが県民にとって望ましい」と配慮もにじませた。

(我那覇圭、渡辺陽太郎)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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