統一地方選2019

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<県議選・終盤の情勢>(上)

2019年4月3日

 ■飯田市・下伊那郡区

 八人が立った県内屈指の激戦区。古田、小池、小島の現職三人と、政党公認がある水野、川上、さらに前高森町長熊谷の新人三人が優位に戦いを進め、吉川、早川が激しく追う。組織力のある公明が飯伊で初めて候補を立てたことで、知名度が高い保守系現職も公明票が期待できなくなるなど楽観できない。投票率は50〜60%、当選ラインは一万二千票前後との見方が強い。

 古田は八期の経験から、リニア時代に向け県の支援を引き出すと訴え、地盤と組織をまとめる。ネットでの運動も積極展開、若年層の掘り起こしにも躍起だ。

 前回選からの票の上積みが課題の水野は飯伊全域にまたがる組織固めを進めつつ、連日遊説と演説。活動力や若さを売り込み、支持なし層の票獲得も狙う。

 熊谷は、郡北部での得票が鍵として街頭活動を中心に地盤の票固めに注力。首長時代に築いた地元との信頼関係を武器に、西南部や飯田市にも支持を広げる。

 表明が遅れた吉川は、厳しい現状への危機感を強めるが、支持層の厚い郡南部などに加え、市内の支持なし層にも三期の政治手腕をアピールして浸透を図る。

 小池は郡部での知名度向上を目指し、支部組織を立ち上げ週末も重点的に巡回。投開票日が年度初めと重なることから、投票率の行方も気にかけている。

 知名度不足が懸念された川上は、告示直後から政調会長や国交相ら党の大物が次々に飯伊入り。党の支援を味方に市郡をくまなく遊説し、支持拡大を目指す。

 三期連続トップ当選の小島も緊張感を高め、各地で個人演説会を重ねる。生活第一で誰にでも居場所と出番がある県に、と主張。支持固めに余念がない。

 最年少の早川はフェイスブックでの情報発信も力を入れ知名度アップに懸命。若さを強みに、新しい政治家が必要と女性や若者を中心に支持を広げている。

 ■伊那市区

 八年ぶりとなった選挙戦は、強固な後援会組織を基盤にする向山、酒井が着実に支持を広げており、橋本が支持なし層や非自民票を取り込んで追う展開。投票率の行方も焦点だ。

 小学校教諭だった橋本は、改憲反対など安倍政権への対決姿勢も打ち出し、知名度アップに懸命。

 県会議長も務めた向山は今回「議員活動の総決算」として実績を強調。市街地を中心に支持を固める。

 酒井は、伊那市副市長も務めた行政経験をアピールしつつ、地盤の竜東地区以外にも浸透を図る。

 ■上伊那郡区

 十二年ぶりに南部から立候補者が立ち、三人がしのぎを削る混戦。最大有権者数を抱える箕輪町から候補が出ておらず、投票率も注目が集まる。

 山崎は、上伊那の医療・福祉の充実を掲げ、南箕輪村など北部の基盤を中心にさらなる浸透を図る。

 元宮田村会議長の清水は、若さとフットワークの軽さを強みに全域を回り支持を訴える。

 垣内は四期の経験から、中山間地域の保護やインフラ整備、防災対策を訴えて支持取り込みを続ける。

 ■岡谷市・下諏訪町区

 三人がほぼ互角の戦いを繰り広げており、最終盤まで予断を許さない情勢。

 浜は、県とのパイプ役を果たしてきた実績を強調。諏訪湖の浄化と災害対策を主張する。

 若さを売りに自転車で遊説する共田は、個人や企業、団体が連携したまちづくりを掲げ、浸透を図る。

 毛利は、消費税増税の反対と子ども医療費の完全無料化を訴え、街頭演説を重ねる。

 ■諏訪市区

 一期目の実績をアピールする今井を、出足が遅かった宮下が県職員のキャリアを前面に激しく追う。

 今井は教育の充実を掲げ街頭演説を精力的にこなす。同世代の経営者やPTA活動などで培った人脈を頼りに、会員制交流サイトも活用し浸透を目指す。

 宮下は国会議員後援会長を選対本部長に据えるなどして拡充した組織力で知名度アップに懸命。県との太いパイプを訴え、保守層を主に票の取り込みを急ぐ。

   ×    ×   

 七日に投開票される県議選(定数五七)は、十四選挙区の四十六議席を巡り、立候補者六十八人の舌戦も連日激しさを増している。将来の地域づくりや産業振興、雇用創出、社会保障など、課題が山積する中での各区の終盤情勢を探った。

 (敬称略)

写真
 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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