<県議選各区の情勢> (3)中信地区(上)
2019年3月22日
■松本市・東筑摩郡
定数六の松本市区と定数一の東筑摩郡区が統合した。これまでに現職七人と新人一人が立候補を表明し、さらに一人が出馬しそうで、少数激戦。八人のうち七人が政党の公認、支持を受ける政党対決の様相を見せ、舌戦がヒートアップしている。
八期目を目指す萩原は実績を強調して支持を訴える。スポーツ振興による経済活性化のほか「農業振興や治山事業も重要」として東筑摩郡の取り込みを図る。
本郷は、松本市内全域の後援会組織や地元企業で支持拡大を目指し、東筑も精力的に回る。「松本空港の国際化などは地域の発展に不可欠」と訴える。
東筑摩郡区から四選した清沢は「合区の認知が広がっていない」と得票を見通せない情勢。防災や福祉、子どもの安全を掲げ、選挙区全域の支持を狙う。
下沢は「一人一人の生活に寄り添う」と訴える。災害の被害を抑える町づくりや入院時も働ける環境整備、引きこもり、老老介護対策を唱える。
中川宏は外国人目線の観光振興を提唱。インフラ強化と市民の自主防災マップによる防災なども訴え、「各世代の支持を得たい」と話す。
両角は高校までの医療費窓口負担の無償化や、国保負担軽減を訴える。「地元の松本市四賀では国道143号復旧が大きな問題だ」と、支持固めを図る。
百瀬は山形村が拠点の後援会支部を新設。「候補を選べてうれしいとの声がある」と話す。地域振興局の統合による産業振興、自然教育の強化も掲げる。
前回選で敗れた中川博は、広範な支持を得ようと無所属を選択。「個人を大切にする政治」を掲げ、成長に合わせた教育や子どもの貧困対策、労働環境の改善などを訴える。
日本維新の会は、元佐久市議(62)を擁立する方針。
■大町市
四選を目指す現職の諏訪が立候補の意向を表明。市民グループが新人で音楽家の女性(64)の擁立を進めており、一騎打ちとなる見通し。
諏訪は、松本糸魚川連絡道路の建設促進や、市立大町総合病院の再生への支援、大北森林組合の経営再建などを訴えている。
新人女性を擁立するのは、昨年の市長選に立候補した市民団体役員の女性候補を支援したグループで、無所属で出馬するとみられる。
■北安曇郡
七期目を目指す現職宮沢の他に、目立った動きはない。
宮沢は、地震や台風などの災害への対応力の向上や、がん対策など医療や福祉の充実、産業振興などを訴える。大規模な決起集会などは予定しないが、郡内の百以上の集落を回り、支持固めに努めている。
(敬称略)
【注】立候補予定者の並びは(1)公認政党の衆院勢力(2)現職、元職、新人(3)当選回数(4)五十音−の順。政党などの表記は自=自民、国=国民、公=公明、共=共産、無=無所属。丸数字は当選回数。敬称略。肩書、年齢は投票日基準。