統一地方選2019

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<県議選各区の情勢> (1)南信地区(上)

2019年3月20日

 二十九日告示、四月七日投開票の県議選(定数五七)が迫ってきた。選挙戦は、地方創生や二〇二七年の開業に向け工事が進むリニア中央新幹線などへの対応が焦点となりそう。選挙区と定数の変更による勢力図の変化も注目される。各区の情勢を探った。 (統一地方選取材班、敬称略)

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 ■飯田市・下伊那郡

 飯田市区(定数三)と下伊那郡区(同二)の合区で定数が一減の四に、現職と新人四人ずつの計八人がしのぎを削る激戦区。首長経験者や政党支持がある新人の戦いぶりと現職の当落に加え、リニア開通を見据えた地域づくりが焦点。各陣営とも、既に激しい前哨戦を繰り広げている。

 八期の実績を強調する古田はリニアを見据え新産業創出、広域観光推進を誓う。強固な組織を持つが「過去最も厳しい選挙」(後援会)と、後援会員の拡大に懸命。

 小池は古田と同じく飯田市区選出。出馬を見送る自民現職と協力し郡部の保守票固めにも全力を挙げる。リニア建設促進議連会長である点もアピールする。

 飯伊で初の議席獲得を目指す公明の川上は、組織力を生かし地元下伊那郡西南部で支持固めを図る。有権者との語る会を各地で開き道路網の整備を掲げる。

 水野は党地区委員長として多くの有権者と接してきたことを強調。前回選に続く挑戦で「福祉と子育て、暮らし最優先」を訴え、無党派層の取り込みも狙う。

 後援会の名簿集めや各地での集会を重ねる小島は南信運転免許センターの設置を訴える。三期連続トップ当選とはいえ楽観ムードはなく地盤引き締めを図る。

 吉川は現職の強みを生かし、周産期医療体制充実、リニアの関連整備のため財政投融資活用を公約。同じ地盤に熊谷が立ち、全域で浮動票取り込みを急ぐ。

 連合の推薦を得る熊谷は前高森町長。下伊那北部での知名度も強みに、支持拡大を図る。町長三期の経験を生かした県と地元のパイプ役の必要性を強調する。

 早川は首長や企業回りを重ね地域の課題把握に努める。会員制交流サイト(SNS)も使い、商社勤務や保育園職員の経験から国際化や保育の充実を訴える。

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 ■伊那市

 ともに自民現職の向山と酒井の議席独占を阻止しようと、共産党上伊那地区委員会は新人の橋本を擁立。八年ぶりの選挙戦となる見込み。自民の二人は前回はともに無投票。議長経験もある向山に対し、酒井は今回が初の選挙戦となるため臨戦態勢を整える。

 向山は県南信工科短大誘致など「経験と実績」をアピール。リニアの開通をにらんだ地域振興などの政策を訴える。

 元伊那市副市長の酒井は「透明性の高い行政」の実現を目指す一方、子育て支援や医師確保などの施策の充実も掲げる。

 橋本は長い小学校教諭経験を生かし「子どもたちが伸び伸び成長できる」教育環境の充実を主張。知名度アップに向け浸透を図る。

 ■駒ケ根市

 保守層を中心に手堅く支持を集める自民現職の佐々木以外に出馬への動きは見られず、二期連続の無投票の公算が大きい。前回の改選後、所属会派の消滅に伴い自民党県議団に合流。今回初めて自民の公認候補として出馬する。

 国道153号伊南バイパス開通や中央道駒ケ岳スマートインターチェンジ開設、駒ケ根市への青年海外協力協会本部移転などを「国、県、市の一体的な政策推進の成果」として実績を強調。リニアの開通を見据えた道路整備や観光開発の重要性を訴える。

 【注】立候補予定者の並びは(1)公認政党の衆院勢力(2)現職、元職、新人(3)当選回数(4)五十音−の順。政党などの表記は自=自民、公=公明、共=共産、無=無所属。丸数字は当選回数。敬称略。肩書、年齢は投票日基準。

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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