統一地方選2019

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争点なき激戦 読めぬ票 金沢市議選 終盤情勢

2019年4月20日

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 現職32人、元職2人、新人9人が出馬した金沢市議選(定数38)は終盤戦に入った。今回は知名度のある新人、元職がおり、現職も油断できない戦いを強いられている。各陣営は21日の投開票に向け、地盤を固め、他地域での票の切り崩しにも力を注ぐ。

ムード低調、他地区切り崩しも

 新人は前回から四人増だが、過去五回の平均一三・四人と比べると少ない。一方、女性は七人で、市選管が把握する一九七一年以降では最多となった。

 ただ、目立った争点はなく、選挙戦は低調ムードが漂う。ある現職は「反応は前回の半分くらい。手を振ってくれるのは外国人観光客ばかり」と嘆く。別の現職も「若い人を中心に選挙ムードは盛り上がっていない」と手応えをつかめないままだ。

 今回と同じ四十三人が立候補した前回選の投票率は、戦後最低の40・37%。七日に投開票があった県議選の金沢市選挙区は38・89%で、前回から2・67ポイント下がった。ある陣営は「市議選は県議選より候補者が多く、本来なら投票率は上がらないといけないのだが…」としつつ、今回は35〜37%程度に下がる可能性があるとみる。

 多くの陣営が警戒するのは国政経験もある新人。県内で初の立憲民主の新人も立った。「どれだけの票を取るのだろうか」。読み切れない票の流れに、他の候補や陣営からこんな声が漏れる。地元の票を固め、他地区へも積極的に攻め込む陣営が多く、「争点なき激戦」の様相を呈している。

 市内を九地区に分けてみると、城北では現職六人、新人三人の計九人がひしめく。東部も現職三人、元職一人、新人二人の計六人がしのぎを削る。新人の一人は「周りを気にする余裕はない。『地元のために』という思いで頑張るしかない」と気を引き締める。

 前回、当選者の最低得票数は二千七百四十八。次点との差は百三票だった。投票率が下がった場合、「当選ラインも二千五百票程度になり、下位は混戦になる」とみる陣営もある。厳しい戦いの中、現職の一人は「有権者の一票を取りに行くのではなく、心をいただきに行く」と訴えに力を込める。

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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