川北町長選 候補者に聞く
2019年4月19日
新人の中村勝巳さん(66)と現職の前哲雄さん(65)による一騎打ちが繰り広げられている川北町長選は、後半戦に突入し、戦いが熱を帯びてきた。早急な整備が求められる公共交通をはじめ、町民の疑問について、主な公約と合わせて二人に聞いた。=掲載は届け出順 (吉野淳一)
中高年活躍の場整備
中村 勝巳さん(66)
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−今回の選挙の争点は。
町民の声を聞いてこなかった現職を選ぶか、町民の意見に耳を傾ける新人を選ぶかという戦い。当選したら、各区の住民全体と男女別、各種団体ごとにタウンミーティングを開きたい。
−中村さんは行政や政治経験がなく、首長としての手腕を懸念する声がある。
しっかりと勉強する。会社員時代、さまざまな部署で経験を積んできたので、勉強すれば大丈夫だという自信がある。町職員に説明していただければ、その上で私が判断する。町職員がいれば、なんとでもなる。
−公共交通の整備の関心が高いが、どう考えるか。
まず町民にアンケートを取り、どんなニーズがあるのか探る。その上で、町が保有するバスを活用し、町を巡回させる構想を考えている。元気な中高年の方に運転手をお願いできる仕組みを整えたい。公共交通の着手は真っ先に手掛ける。
−シルバー人材センター設立の構想は。
県内十九市町でシルバー人材センターがないのは川北町だけ。「住んで良かった町」「住みたい川北」を実現するには、元気な中高年の方々の活躍が欠かせない。生き生きと働ける場の提供は、町民の健康増進や医療費削減にもつながる。農業や樹木の枝切りなど、できる業務から始めたい。設立には三〜四年かかるが一期目に成し遂げたい。
企業誘致で財源確保
前 哲雄さん(65)
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−今回の選挙の争点は。
ない。だから戦いにくい。相手候補は議員も首長も経験がないけど、予算編成などの行政運営を本当にできるのか。議会にしても、議員の突っ込んだ質問に答えられるとは思えない。
−相手陣営は前さんを「町民と対話をしてこなかった」と批判している。
区長会や公民館長会、女性協議会などを通して情報収集してきたが、確かに町民との直接対話はなかったかもしれない。そこは反省点。当選した場合は、町民から希望があれば、対話にうかがわせていただきたい。
−公共交通の整備の関心が高いが、どう考えるか。
運行時間や停車場を決め町の福祉バスを週二、三回、無料で走らせることを検討している。好きな時間に好きな場所に行けないので不便との声もあるので、乗り合いタクシーも候補。タクシー会社に運行を依頼し、町が料金などを助成する選択肢もある。三期目に何か形にしたい。
−企業誘致の推進を掲げている。
手厚い福祉や教育の継続には、企業誘致による財源確保が必要。財源は農業や中小企業の振興にも使う。工業団地の造成や企業誘致には、国や県などのつながりが生きることがあるが、新しい首長は関係を築くのに時間がかかる。自分の二期八年の積み重ねは、企業誘致では必ず強みになる。