川北町長選 候補者の横顔
2019年4月18日
二十一日投開票の川北町長選は告示され、元町教育委員で新人の中村勝巳さん(66)と三選を目指す現職の前哲雄さん(65)の舌戦が連日、繰り広げられている。有権者に政策を訴える二人は、どのような人柄の持ち主で、どんな経歴を歩んできたのか。両候補の「横顔」に迫る。
(吉野淳一)
NTTの社員時代を振り返る中村勝巳さん=川北町橘で |
孫とのふれあい癒やし
中村 勝巳さん(66)
NTT(旧日本電信電話公社)時代、技術や企画、営業、印刷、土木など多部門を渡り歩いた。先々で上司や部下、同僚、営業先とやりとりする中、痛感したのは対話の重要性。「基本はコミュニケーション。何よりも大切に磨いてきた」。四十代を前に管理職に就き、グループ会社の人材派遣の部長まで務めた。
仕事に精を出す一方、地元・橘区の活動にも尽力した。副区長や会計、公民館長を歴任し、退職後は区長も務めた。同区から出馬の推薦があったのは一月。「身内から『何を考えている』と言われた」と笑うが、「町民の声を町政に届けたい」と立候補を決意した。
スポーツ全般が好きだが、中でも野球は大好き。中学校時代に始め、高校時代まではプロ入りを夢見て白球を追った。現在は、全国大会常連の地元の還暦野球チーム「川北リバース」で活躍。四番、捕手としてチームを引っ張る。
妻と長女夫婦、二〜八歳の孫四人の八人暮らし。毎日の楽しみは孫とのふれあいだ。「家に帰ると寄ってきて『遊んで』って言ってくる。帰るだけで癒やされる」。にぎやかな家庭が、スポーツに、政治にと挑む原動力となっている。
役場の若手時代を振り返る前哲雄さん=川北町役場で |
休みは愛妻とドライブ
前 哲雄さん(65)
京都産業大四年の時、オイルショックで大学への求人が消えた。農家の父が下宿を訪れたのはその折だった。就職が決まらないなら帰ってきて−。「内定していた銀行もあったけど、やっぱり親が大事だから」。一九七七(昭和五十二)年、川北村役場に入庁した。
若いころは福祉住民課と教委に配属された。大型免許を取り、バスで福祉団体の関係者や部活動の生徒を送迎したことも。「公民館活動にも携わった。土日もなかったけど、町民とのつながりが広がった」。そう懐かしそうに振り返る。
三十代から総務畑を歩み、財政や防災、条例など幅広い業務を担当。総務課長などを経て二〇〇九年に副町長に就くと、一一年の町長選を前に西田耕豊元町長から後継指名を受けた。「町の全てを分かっている君しかおらんって」。当時の議会も全員一致で候補者として推薦。「責任を取るしかない」と出馬を決めた。
妻と母親、長女の四人で暮らす。休日の気分転換は妻とのドライブ。中古で買ったトヨタ・クラウンで福井や富山に足を延ばすことも。「二人でいろんな所を見られるのがいいね」。伴侶の話になると、ほおがゆるむ愛妻家でもある。