5市 訴え熱く 市議選 舌戦火ぶた
2019年4月16日
五つの市議選が告示され、出陣式で気勢を上げる候補者(右)と支持者ら=14日、石川県内で |
人口減対策 新幹線活用 医療・福祉対策
統一地方選後半戦の火ぶたが切られた。十四日に告示された石川県内の金沢、小松、輪島、珠洲、野々市の五市議選。人口減少対策や北陸新幹線に関連した地域活性化策、医療・福祉対策は…。候補者たちは地元への思い、それぞれの地域が抱える課題の解決策などを訴えている。
金沢市
北陸新幹線開業から五年目に入ってもなお、活況が続く金沢。各候補は、魅力をさらに高めるまちづくりへの思いだけでなく、生活の足元を見つめ直す主張も相次いだ。
ベテラン現職は新幹線開業効果の持続に触れ、「次の手を打つ、今が一番大事な時期。金沢ブランドをさらに磨き、観光客が集まる街にしていきたい」と第一声を放った。
若手現職は「市民が主役のまちづくりを進め、生活の質、心の豊かさ第一の市をつくる」と訴えた。新人は子育て世帯や生活困窮者への支援充実を掲げ、「不安や不満を希望と満足に変える」と約束した。
小松市
各候補からは、四年後に控えた北陸新幹線小松駅開業や、観光振興を訴える声が目立った。
議長経験者の一人は出陣式で「北陸新幹線は、どんどん工事が進んでいる。小松には注目を集める観光地もある。今後の市の発展のため人生を懸ける」と強調した。ある新人は東京一極集中の問題を踏まえ、「東京だけの繁栄でいいのか。古里の活性化のため、全力で働く」と声を張り上げ、選挙カーに乗り込んだ。
輪島市
奥能登の中心を担う一方、少子高齢化や過疎化、観光客の減少など課題が山積する。医療福祉の充実のほか、交流人口の拡大、企業誘致など人口減少に歯止めをかける方策について言及する候補者も多かった。
あるベテラン現職は出陣式で「人口をすぐに増やすことはできないが、減らす速度を落とすことはできる」と主張。「輪島塗や観光業といった地域の基幹産業を活性化し、働く場所を確保することが重要だ」と強調し、「行政に政策を企画、提案するためにも皆さまの一票が力になる」と支援を呼び掛けた。
珠洲市
多くの若者は進学や就職で古里を離れ、高齢過疎が進む。厳しい現実が横たわるが、ある候補は出陣式で「身近な地域を良くすることで、珠洲全体を元気にしたい」と力強く訴えた。
二〇一七年に初開催した奥能登国際芸術祭は、五十日間で来場者は七万人を超えて大盛況。来年開催される二度目の芸術祭も成功させ、芸術文化の振興と定着を呼び掛ける候補もいる。
野々市市
金沢近郊で利便性が高く、子育て世代が多い選挙区。各候補からは子育て支援策の充実を訴える声が目立った。
ある新人は「仕事、家事、育児に追われ、日々を忙しく過ごす母親が多い。そんな人たちの声をしっかりと行政に届けていきたい」と約束した。ある現職は児童数の増加を指摘し「既にある学校を増築するのか、市内に新設するのか、議論していく必要がある」と訴えた。