議員なり手不足 ひしひし 16市町で「感じる」「どちらかといえば感じる」
2019年4月12日
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県内19市町 議長アンケート
解消策「報酬増」や「年金復活」
議員のなり手不足や住民の関心の低さ。そんな課題を石川県内の市町議会の当事者はどう考えるのか−。統一地方選後半戦の市町議選告示を前に本紙が全十九市町議会の議長にアンケートをしたところ、十一市町議長がなり手不足を「感じている」、五市町議長が「どちらかといえば感じている」と回答した。解消策には議員報酬の引き上げを挙げる声が最も多かった。(統一地方選取材班)
「感じない」3市町
なり手不足を「感じている」と答えたのは七尾、珠洲、加賀、羽咋、かほく、白山、能美の七市と川北、志賀、中能登、穴水の四町議長。小松、野々市、津幡、内灘、宝達志水の五市町議長は「どちらかといえば感じている」と回答した。
理由として「候補者が積極的に出てこない」「全体が高齢化している」との回答が目立った。「議会が魅力に欠け(議員は)生活の安定感が得られない」(荒川一義七尾市議長)との回答もあった。
金沢、輪島、能登の三市町議長は、なり手不足を「感じていない」と答えた。
なり手不足解消の対策として、志賀町の南政夫議長は「選挙のたびに住民の洗礼を受けるが、その割には報酬が安定していない」。加賀市の田中金利議長も「一般サラリーマン並みの年金に加入できないと、老後の生活ができないと思われる」として議員年金の復活と報酬引き上げを唱える。
「報酬を全議員一律ではなく、若い人ほど多くなるよう傾斜配分すれば若手議員が増えるのではないか」。そんなアイデアも川北町の山先守夫議長から出た。
関心「低い」目立つ
住民が議会に向ける関心度はどうか−。「どちらかと言えば低い」が九市町議長で最も多く、「低い」と答えた四市町と合わせると半数以上を占めた。「どちらかと言えば高い」が五市町議長、「高い」と答えたのは川北町の議長だけだった。
関心が低いと感じる理由では「生活に直結した話題がないと傍聴に人が来ない」「議会で何をしているのかと聞かれることがあり、市民に伝わっていないと感じる」などの声があった。
議会への関心を高めるための方策を複数回答で選んでもらうと、最多は「市民との意見交換などの開催」の十三市町議長。「議会からの情報発信」「各議員による周知・活動」がいずれも十二市町議長で続いた。
金沢市の清水邦彦議長は「小中高生への教育が重要。子どもたちから『なぜ投票権がないのか』と言われるくらいにならないといけない」と強調した。