石川県議選鹿島郡選挙区で初当選した国民民主党新人の岡野定（おかのじょう）隆志さん（４８）が投開票から一夜明けた八日朝、同県中能登町の街頭に立ち、町民らに当選への感謝を示した。二十六票差、町を真っ二つにした結果を受け岡野定さんは融和に努める考え。一方、長く自民党県議と連携してきた町関係者からは戸惑いの声が上がった。（中川紘希）

　岡野定さんは午前七時から同町徳前の交差点で、ドライバーらに手を振り「ありがとうございます」と感謝の思いで頭を下げた。

　結果について「うれしいというより、支援に応えなくてはならない重責をひしひしと感じている」。僅差で敗れた自民現職の山田省悟さん（７１）の支持層と投票しなかった約三割の有権者の声にも耳を傾ける考えを示し「オール中能登で力を結集したい」と話した。

　町政との関係に対し「会うと顔を背ける町議もいる。経験を積まれた方々なので私から接近して教えを請いたい」と歩み寄る姿勢を示した。

　同町では山田さんが父と二代で四十八年議席を維持。山田さんと連携してきた杉本栄蔵町長は、県への要望について「岡野定さんだと話がまとまらなくなるかもしれない」と不安視。町議会の宮下為幸議長は「今後は議会が直接県にお願いに行くことも考えないといけない」と話した。