一票の格差最大1.93倍 合区で縮小拡大懸念続く 県議選きょう告示
2019年3月29日
国政選挙で「一票の格差」是正に向けた改革が進む中、石川県議選の各選挙区の格差は最大一・九三倍であることが分かった。二〇一五年の前回県議選で最大二・〇九倍あった格差は縮小。人口減少が深刻化する珠洲市と鳳珠郡を合区とした成果とみられる。ただ人口減少が進み、再び格差が広がる恐れもあり、今後も区割りや定数見直しを進めていく必要がありそうだ。(田嶋豊)=社説<5>面
![]() |
告示前日の選挙人名簿登録者(有権者)数と選挙区定数から算出した。
定数一(議員一人)当たりの登録者数が最少の羽咋市羽咋郡南部(羽咋市、宝達志水町)を一とした場合、最大はかほく市の一・九三倍。羽咋市羽咋郡南部の一票は、かほく市の倍近い重みがあることになる。
かほく市に次いで河北郡(津幡町、内灘町)が一・七五倍、輪島市が一・五七倍、金沢市が一・五五倍で続く。珠洲市を基準とした前年の格差と比較すると、全選挙区で改善された。
石川県議会では都市部と過疎地の人口増減などを踏まえ、〇八年に定数や区割りを見直す議員だけの検討懇談会を設け、一一年から定数を三減の四三にし、区割りを変更。さらに今回の県議選に向けても区割りを改めたが、人口減少が著しい能登に配慮して議席減は回避した。
格差二倍以上は解消されたものの、県選管担当者は「いずれまた二倍以上となる可能性もある」とみており、絶えず検証が必要とも言える。
昨年十二月、「一票の格差」が最大一・九八倍だった一七年十月の衆院選は違憲だとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は「合憲」と判断、請求を退けた。
◇ ◇ ◇
県議選が二十九日告示される。二十八日に県選管が発表した選挙人名簿登録者数は県全体で九十五万五千七百二十八人。前回より一万五千二百九人増えた。