原発、争点にならず 敦賀市長選
2019年4月22日
二十一日投開票の福井県敦賀市長選は、いずれも無所属の現職と新人の激しい一騎打ちの末、現職の渕上隆信さん(58)が再選を果たした。
立地する四基の原発は現在、廃炉作業中か停止の状態。両候補とも原発については再稼働や増設を容認する推進派だ。公約をまとめたビラなどでも原発関連は小さな扱いで、演説でもほとんど触れなかった。代わって新たな産業振興や四年後の北陸新幹線・金沢−敦賀延伸に向けたまちづくりが舌戦のテーマになった。
時計修理店を営む田代牧夫さん(67)は「原発の城下町で当選しようと思ったら原発に反対することは言えない。原発反対の候補者がいないのは残念だが仕方ない」と語った。農家の男性(81)は「市民は原発を黙認しているし、市にはほかにも課題があるので、候補者も原発を争点にするのを避けている」と話した。