1市長と3市議選、14日告示
2019年4月13日
第十九回統一地方選の後半戦として十四日、敦賀市長選に加え、三つの市議選が告示される。敦賀市長選は現職と新人の一騎打ちとなる公算が大きい。敦賀市議選は無投票になる可能性がある一方、福井、小浜両市議選は選挙戦となる見込み。十四日の立候補受け付けは、福井市議選が市企業局庁舎、他の選挙はいずれも各市役所で。時間は午前八時半〜午後五時。
◆敦賀市長選 知事選の影響に注目
再選を目指す無所属現職の渕上隆信さん(58)と、無所属新人の元市議米沢光治さん(51)の一騎打ちとなる見通し。七日の知事選で落選した西川一誠さんを支持した渕上さんに、当選した杉本達治さんと同じ自民推薦の米沢さんが挑むかたちで、知事選の影響が注目される。
連合福井や日本商工連盟敦賀地区の推薦を受けた渕上さんは、前回選挙のスローガン「敦賀再生」を「敦賀躍進」に変えて「子育て環境日本一」など「住みたくなるまち敦賀」のまちづくりを訴える。陣営は支援者と同時に、推薦企業や団体の支持固めを狙う。籠正義後援会長は「公務があり、動きにくいところがあってつらいが、現職の政治家としての力を見てもらいたい」と話す。知事選の市内の投票結果を見ると、西川さんと杉本さんの得票率は県全体ほど開いておらず、影響の程は未知数とみる。
米沢さんは一月の立候補表明から、計五十四回のミニ集会を開催。集会では「あたらしい敦賀を開拓する」をスローガンに「つるが道の駅」建設といった政策を打ち出す一方で「渕上市政は市職員、議会、市民とのコミュニケーションに欠ける」と厳しく批判してきた。保守系県議や自民党敦賀市支部の中村紀明支部長、河瀬一治前市長らも集会に顔を見せ、陣営幹部は「知事選後から事務所を訪れる企業関係者が増えるなど、追い風は感じる」と話すが、新人だけに知名度を課題に挙げる。
立地する原発については、いずれも安全を前提とした新増設・再稼働を求めており、争点にならない見込み。双方とも有権者の三分の一が住む市南部の粟野地区を地盤としており、厳しい選挙戦が予想される。
(大串真理)
◆福井市議選 市中央部で激戦か
定数三二に対し、現職二十六人、新人十人の計三十六人が立候補を予定している。ベテラン議員ら六人が引退の意向を示しており、多くの地盤に後継新人が立つ。そのほかの新人も立候補を予定しており、激戦が見込まれる。
党派別では、自民十人、公明三人、共産二人、諸派一人、無所属二十人。市中央部で、隣接する足羽、豊、木田の三地区からは現職、新人計六人が立候補する見込みで、激しい票の奪い合いになりそうだ。
市の財政再建や、二〇二三年春の北陸新幹線の県内延伸に向けた街づくりや周辺市町との連携、人口減少問題などの課題を訴え、支持の拡大を目指す。
(片岡典子)
◆敦賀市議選 初の無投票の公算
定数二十四に対して、現職十六人と新人八人の計二十四人が立候補を予定しており、無投票になる可能性がある。市選管によると、記録が残る一九六三(昭和三十八)年以降、無投票はなく、それ以前にもないとみられるという。
党派別では自民一人、公明二人、共産二人、無所属十九人。
選挙戦になれば、注目度の高い市長選と合わせて投票率は上がるとみられ、原発に代わる新産業創生、人口減少への対策、四年後の北陸新幹線敦賀延伸を見据えた受け皿作りなどについて舌戦が予想される。立候補予定者たちは事務所を構え、地元や各種団体に支持を呼び掛ける。
(高野正憲)
◆小浜市議選 8年ぶり選挙戦に
定数一八に対して二十人が立候補の準備を進めている。前回は無投票だったことから、二〇一一年以来八年ぶりの選挙戦となりそうだ。
内訳は現職十五人、新人五人。党派別では公明、共産各一人、無所属十八人。
定数が変わっていないため、当確ラインは一一年同様、七百〜八百票前後とみられる。地縁、血縁を頼りにした少数激戦になるもよう。
(池上浩幸)