統一地方選2019

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県外進学でも貴重な1票を 県選管、高校卒業者に呼び掛け

2019年3月2日

 選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられて初めての統一地方選が迫ってきた。現在の高校三年生の大部分は十八歳に達し、県内では一日にほとんどが卒業した。統一選前半戦の知事選と県議選(ともに四月七日投開票)を前に、県外で新生活を始める生徒も多く、県選管は十代の低投票率を懸念している。

 福井市の羽水高校で一日に開かれた卒業式の後、三年一組の教室には、学生らでつくる県明るい選挙推進青年活動隊「CEPT(セプト)」の姿があった。メンバー五人が生徒を前に「十八歳となる皆さんには福井県の進む道を選ぶ権利があります。必ず投票に行きましょう」と呼び掛けた。

 県内の高校を今月卒業するのは七千人余りで、例年同様なら三割ほどが県外の大学・短大に進む見込み。知事選と県議選の投票日前に福井を離れる十八歳も多いとみられ、引っ越しや入学式などで慌ただしい中で投票権を放棄しないかと心配する声もある。

 県選管は、進学や就職で県外へ移り住む予定の生徒には「まず期日前投票を」と呼び掛ける。知事選は二十一日告示で、翌日から地元役場などで一票を投じられる。期日前投票ができない場合は「不在者投票」を勧める。今年は県内全高校の三年生に、不在者投票の請求書を添付した案内チラシを配った。

 十八歳選挙権が導入されて初めて迎えた二〇一六年七月の参院選で、県内の十八、十九歳の投票率は42・19%。一七年十月の衆院選は39・91%に落ち込んだ。ともに全年齢の県平均に比べ10ポイント以上低いが、十九歳に比べると十八歳の方が高かった。

 県選管は「十八歳は高校在学中なら、先生から投票に行くよう声を掛けられる」と説明。卒業後はそうした働き掛けも難しくなってしまうことから、春の選挙では特に十八歳への呼び掛けを強めている。

(山本洋児、尾嶋隆宏、清兼千鶴、高野正憲)

◆「福井にいない」けど「投票はしたい」

 県内高校の卒業式後に、県外に進学する生徒たちに聞いたところ、統一地方選前半戦投票日の四月七日に「福井にいない」と答える人が目立った。ただ自身にとって初めての選挙だけに、「投票はしたい」との思いも伝わってきた。

 羽水高校三年の平田夏帆(なつほ)さん(18)は、和歌山県の大学への進学が決まっており、三月末に引っ越しをする予定。今月中に十八歳になる福井商業高校三年の西沢芽依さん(17)も、愛知県の大学に入学するため、三十日の引っ越しが決まっているという。

 平田さんは「(福井にいる間に時間があれば)期日前投票を考えるが、恐らくは不在者投票になる。まずは制度の利用方法を理解しないと」と投票に積極的。西沢さんも「愛知で不在者投票をしたい。大人の仲間入りをする初めての選挙だから」と話した。

 一方、合格発表を待っている敦賀高校三年の男子生徒(17)は「今は受験や新生活のことで頭がいっぱいで、政治まで関心がいかない」。大切な人生の節目に本音が漏れた。

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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