票所入場券の性別を記号に 丹南4市町、LGBT向け配慮
2018年12月26日
性的少数者(LGBT)に配慮して、越前市など丹南地域の四市町が来春の知事選と県議選から、投票所入場券の性別表記を文字から記号に変えて有権者に発送する。四市町はほかに、鯖江市と池田、越前の両町。越前市選管によると、日ごとの投票結果をまとめる投票録の様式は公選法で定められ、投票総数に男女の内訳を記録しなければならない。そのため、投票所入場券には作業の都合上、男女の表記を文字で入れていた。
しかし、近年の選挙で、LGBT当事者の認識と異なる性別の文字表記は人権上の問題だけでなく、投票を避ける要因になるなどとして人権団体などが市選管に指摘。選挙事務担当者にしか分からない記号を用いることにしたという。投票所入場券は丹南五市町で構成する県丹南広域組合で作成しているため、鯖江と池田、越前の三市町も表記変更に同意したが、南越前町は公選法で定められており、記録作業のミスも懸念されるとして、同意しなかった。
県内では若狭町と坂井市に続く取り組み。福井、敦賀の両市も対応を検討しているという。県内九市の選管で構成する県市選挙管理委員会連合会では二〇一九年度の全国市区選挙管理委員会連合会北信越支部総会で、国への要望事項として投票録から性別欄の撤廃を求める議案を提出すると決めている。
(山内道朗)