前夕張市長が道知事に 次は震災復興
2019年4月8日
北海道知事選で当選を決め、支持者と握手を交わす鈴木直道さん=7日夜、札幌市中央区で |
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「活力ある北海道の新時代を切り開いていく」。十六年ぶりの新人対決となった北海道知事選を制し、現職最年少知事となる前夕張市長鈴木直道さん(38)は、満面の笑みで決意を語った。
当選確実の一報が入った午後八時すぎ、紺色のスーツに青いネクタイ姿で札幌市の選挙事務所に現れた。鳴りやまない拍手の中「私を育て、送り出してくれた夕張の皆さまに大きな力をいただいた」と感謝。支援者らと握手を交わし、万歳を繰り返した。
家計の苦しい母子家庭で育ち、高卒で入庁した都庁で働きながら法政大に通った苦労人。二〇一一年、都職員として派遣された縁で夕張市長選に立候補して初当選。八年務め、国と渡り合い財政再建に取り組んだ。市長退任時は、地元が舞台の映画にちなむ黄色いハンカチで見送られ涙した。埼玉県出身だが「市民や道民に政治家として育ててもらった」。妻と愛犬「マメ」と同居する。
法政大で部活動の主将を務めたボクシングが趣味といい「ピンチをチャンスに変える」がキャッチフレーズ。逆境に挑戦して燃える性格。その人物を見込んで応援する政財界の要人も多い。昨年九月に北海道地震があったばかり。今度は財政再建から震災復興の牽引(けんいん)役に。「全国的な復興のモデルとなるよう、被災地の取り組みを支えていく」と約束した。