統一選、参院選に政権不安 景気判断引き下げで
2019年3月21日
安倍政権は、二十日発表の月例経済報告の景気判断引き下げにより、二十一日からの統一地方選、夏の参院選に向け、看板政策「アベノミクス」への評価に不安を抱えた。安倍晋三首相は「経済の好循環は着実に回り始めている」と訴え、経済の先行きに対する懸念の払拭(ふっしょく)に躍起となった。野党からは「政権が成功と言い続けてきたアベノミクスの終わりの始まり」(玉木雄一郎国民民主党代表)との声が上がった。
首相は参院総務委員会で、国内経済に関し、雇用や所得環境が改善していると強調。世界経済についても「(米中の)通商問題や中国経済の先行きなどのリスクに留意する必要はあるが、全体として緩やかな回復を続けている」と述べた。一方、閣僚経験者は「中国経済の減速が直撃した。輸出を重視した金融緩和頼みの経済には不安が付きまとう」と指摘。首相と距離を置くベテランは「普通の人々が景気回復を実感できていない」として、アベノミクスの軌道修正の必要性に言及した。