統一地方選2019

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保守王国4知事選「分裂」様相 福井、徳島、福岡、島根

2019年2月3日

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 統一地方選で予定される10道県知事選(4月7日投開票)のうち、福井、徳島、福岡、島根の4県で自民党組織が分裂の様相となっている。いずれも「保守王国」と呼ばれる地域。自民党に対抗できる野党が見当たらないことが、自民党内の争いを激しくさせる一因となっている。

 福井では、五選を目指す現職の西川一誠氏(74)に、前副知事の杉本達治氏(56)が挑む。ともに総務省OBで、県の元の上司と部下が争う構図だ。自民県連は連続三期まで推薦対象とする党選対の要綱に基づき、党本部に杉本氏の推薦を申請した。これに対し一部県議が西川氏の支援を表明し、県議会の自民会派から離脱。新会派を立ち上げた。

 徳島では五選を狙う現職の飯泉嘉門氏(58)に対し、自民県議の岸本泰治氏(61)が多選を批判して出馬表明した。一部の県選出国会議員らが支援する。

 福岡に関し、自民党本部は一月三十日に、元厚生労働官僚の武内和久氏(47)の推薦を決めた。それでも県選出の一部国会議員らは、三期目を目指す現職の小川洋氏(69)を推すと明言している。

 背景には、保守分裂となった二〇一六年の衆院福岡6区補選がある。過去二回の知事選で自民の支援を受けた小川氏は中立を貫き、県選出の麻生太郎副総理兼財務相や県連との間に亀裂が入った。

 現職が引退する島根で、県連は元総務省消防庁次長の大庭誠司氏(59)の推薦を決めた。元県政策企画局長で元総務官僚の丸山達也氏(48)も立候補を表明し、一部の中堅、若手県議が支援している。

 このほか、北海道知事選でも自民分裂の可能性がある。鈴木直道夕張市長(37)が一日、無所属での出馬を正式表明し、自民、公明両党に推薦を要請。公明党は推薦を決めた。ただ地元の一部には、自民党の橋本聖子参院議員(54)の擁立論もある。

 前回四年前の統一地方選の知事選で自民分裂はなかった。このまま選挙を戦ってしこりが残れば、夏の参院選への影響は避けられない。福井、徳島(高知と合区)、島根(鳥取と合区)は参院選の改選一人区。選挙全体の勝敗のカギを握るとあって、党執行部は分裂回避に向け、各県連に一本化を働き掛けている。

 東北大の河村和徳准教授(地方政治論)は「安倍一強が続いたため、野党は地方でも弱くなった。その結果、保守系知事に相乗りするなど多選を許してきた。一方、自民県連内では利害対立や世代間対立が徐々に激しくなり、知事選での保守分裂という形で表面化している」と指摘している。

(村上一樹)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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