当選、喜び語る手話 豊田市議選・中島さん
2019年4月22日
当選が確実となり喜ぶ中島竜二さん=21日深夜、愛知県豊田市で |
愛知県豊田市議選(定数四五)では生まれつき耳が聞こえない無所属新人の元会社員、中島竜二さん(30)が初当選した。「地盤も組織もない中、地味な活動をしてきた成果。支えてくれたみなさんに感謝したい」と泣きながら、手話で喜びを語った。
五十人が出馬し、中島さんは、県立岡崎聾(ろう)学校の同窓生やボランティアの支援を受けた草の根の選挙運動で支持を広げた。「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」によると、耳が聞こえない地方議員は現在、東京都北区、兵庫県明石市などに三人いるが、中部地方では初めて。
二〇一七年一月に初当選した埼玉県戸田市議の佐藤太信(たかのぶ)さん(38)も耳が聞こえない。中島さんの出陣式にも駆け付けた佐藤さんは「音声を文字に変換する装置の議場への持ち込みや手話通訳者の費用負担など、議員活動開始までに解決すべき課題は多い」と話している。