最終盤、各陣営懸命に 後半戦21日投開票
2019年4月20日
統一地方選の後半戦は二十一日に投開票される。県内では常滑、日進、瀬戸の三市長選と美浜、東栄の二町長選、二十一市議選と十一町村議選の計三十七選挙が行われており、各陣営の訴えも最終盤に入った。市町長選の情勢を伝える。 =候補者一覧は届け出順、敬称略
◆常滑市長選
西村 昭彦 58 無新
伊藤 辰矢 41 無新
いずれも無所属新人で元郵便局長の西村と元県議の伊藤が激しい戦いを繰り広げる。
西村は、現職の進める市庁舎移転新築の凍結を掲げた選挙活動。市の厳しい財政状況を示したチラシを示し「子や孫に借金をなすり付けない」と主張する。地盤の市北部で個人演説会を開催するなど支持拡大に努める。
現職から後継指名を受ける伊藤は市議選候補の個人演説会場を回り、支持を訴える。市民の安全を守る観点から庁舎新築への理解を求めながら「安心して子どもが産み育てられる街にする」と子育て政策充実を訴える。
◆日進市長選
近藤 裕貴 49 無新
島村紀代美 56 無新
いずれも無所属新人の元市議二人が、激しい戦いを繰り広げている。四十八年ぶりに市議選と同一日程で行われており、市議候補との連携もみられる。
自民と公明から推薦を受ける近藤は、保守系の市議候補と街頭演説を重ねている。十七日夜に開いた総決起集会には、稲田朋美元防衛相を招いた。企業、団体の推薦も多く取り付け、票固めを狙う。
島村は政党の推薦を受けておらず、政策に賛同する市民に支えられた「ネットワーク型選挙」と銘打って戦う。街宣は住宅街をくまなく回り、街頭演説で政策を訴えている。支持政党なし層への浸透を図る。
◆瀬戸市長選
光部 武信 55 無新
伊藤 保徳 72 無現<1>
川本 雅之 53 無新
無所属現職の伊藤に、いずれも無所属新人の川本、光部の二人が挑み、選挙戦が激しさを増している。
前回旧民主の推薦を受けて自民の推薦候補を破って初当選した伊藤は今回、自民、国民、公明の推薦を受け、個人演説を中心に企業誘致などの実績を訴える。
二十年の市議経験のある川本は、ボトムアップの市政運営や行政の信頼回復を掲げて街宣や個人演説に注力。現職への批判票などの受け皿も視野に入れる。
会社員の光部は、算数教育の改善や自動車関連の企業誘致などの独自の公約を掲げ、精力的に選挙カーに乗り込み、政策浸透とともに認知度向上を図る。
◆美浜町長選
斎藤 宏一 80 無元<4>
神谷 信行 65 無現<1>
町を二分した前回同様、ともに無所属の元職と現職の激しい戦いになっている。大きな争点となるのが、町が名鉄知多奥田駅前で進める運動公園事業の是非。事業費は約四十五億円、年間の維持管理費は二千万円と想定する。「町の財政には事業の規模が大きすぎる」と中止を訴える斎藤は選挙カーで走り回り、街頭演説に力を入れる。「町の将来を見据えた投資だ」と主張する神谷は、各地区で演説会を開くなどして支持を呼び掛ける。
◆東栄町長選
尾林 克時 69 無元<1>
村上 孝治 61 無現<1>
前回と同じ顔触れによる選挙戦。
告示十二日前に出馬表明した尾林は街頭演説に力を注ぎ、浸透を図る。地域医療問題を最重点施策に位置付け、病院機能を併設した複合福祉タウンの誘致を訴える。
再選を目指す村上は街頭で、町民との対話を基本に取り組んだ一期目の四年間の実績を強調。医療問題では、東栄病院の無床診療所化や隣接市町村との連携の必要性を説明している。