統一地方選2019

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<名古屋市議選ルポ> (7)中区、天白区

2019年4月6日

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 中区(定数三)と天白区(同五)は主要政党の公認候補に加え、過去の選挙に政党公認などで出た新人や元職が無所属で立ったことで混戦模様になっている。党の力に頼らない選挙で現職に競り勝てるか、注目される。

【中区】

 人が集まる大須商店街で無所属の新人、今枝潔美は何度も名前を連呼した。亡父が自民で衆院議員を三期務めた家系。四年前の市議補選では党籍を持つ候補として戦ったが落選した。今回、公認や推薦はないものの“生まれたときから自民党員”を自称。「高齢者、障害者に優しい中区を目指す」と訴える。

 その自民が公認したのは市議団長を経験した六期当選のベテラン中田千津子。一日に複数会場で演説会を開き、実績を訴える。「中区は経済区。活力あふれる街づくりをしたい」とアピールした。

 一方、減税の元市議団長で、前回は次世代の党から出た則竹勅仁(くにひと)は今回は無所属での挑戦。二十年使っている自転車で走り、「地域コミュニティーの強化によって災害に強い街づくりをしたい」と約束した。

 減税は地元出身で、民生児童委員などを務めた新人の豊田薫を立てた。大須では河村たかし市長と練り歩き、「子育てしやすく、お年寄りが安心して暮らせる街づくりをする」と誓う。

 瑞穂区から選挙区を変えた立民の塚本剛志は多様性を表すレインボーカラーをあしらったたすきを身に着けて、「働きながら子育てや親の介護を果たしていけるような取り組みを進めたい」と主張する。

 県議選に転出した前職が初めて議席を獲得した共産の石原愛子も大須で「給食を無料化し、教員と親の負担軽減を」と訴えた。

【天白区】

 無所属新人の加納靖子が街頭でビールケースの上に立ち、通行人に頭を下げた。「現役介護士の、若い世代の思いを、私に代表させてください」

 三十二歳。前回は自民の二人目公認で出馬したが次点の六位。今回は公認申請が通らず党支部が組織する地域の演説会は開けない。自転車街宣で出会う人たちの手を取って訴えている。

 自民の公認は、二人擁立の前回でも首位だった成田隆行。連夜の演説会で「こうやって膝と膝をつき合わせて地域の声を聞いてきた自民の伝統を、しっかり継承していく」と話す。

 前回の上位陣は固定票のあるベテランがそろう。二位の公明・三輪芳裕は「病児保育所の拡充に努めてきた」と五期の実績をアピール。三位の共産・田口一登は「統一地方選と参院選で自公に厳しい審判を下せば消費増税中止の道が開かれる」と呼び掛けた。四位の立民・田中里佳は「草の根民主主義を広げていく」と、政党支持率の高い党名を連呼して回っている。

 新人と元職の挑戦を受ける前回五位の減税・鈴木孝之は河村たかし市長との演説で「次の定例議会で議員報酬八百万円の制度化をまた目指す」と宣言。減税で当選経験があり前回は維新で七位だった国民の堀田太規は「四年間サラリーマンをしながら地域のことを考えてきた」と訴える。

 市長選経験のある無所属の太田敏光も立候補した。

 =文中敬称略(統一地方選取材班)

 =終わり

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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