統一地方選2019

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<名古屋市議選ルポ> (5)港区、守山区

2019年4月4日

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 今選挙の焦点の一つが最大会派争い。現在第一党の自民は現有二十二議席を守る作戦だが、二候補が共存する港区と守山区はともに定数減で、二議席ずつ死守できるか注目される。結果によっては、改選前から五増の二十三候補を立てた第二会派「名古屋民主」(立民、国民)に迫られる可能性もある。

【港区】

 自民の県議選候補者が開いた演説会。壇上に坂野公寿と吉田茂が並び頭を下げた。「私たち二人をどうか通してください」

 ほぼ同数で票を分け合った前回選は吉田が四位、坂野が五位。単純にみれば、定数減の今回はどちらか一人が落ちる公算となる。

 現職議長の坂野は「防災拠点にもなる区役所をアジア大会選手村の跡地に移転改築を」と主張。地元の南陽地区を中心に演説会を開き、親族運営の選対が電話作戦で後押しする。

 二期目を目指す吉田は「リニア時代に向け区内の鉄道網を建て直したい」と宣言。南陽高同窓会や県議選候補者の引き合いで支持者との会合を増やしている。

 迎え撃つ前回三位の共産・山口清明は街頭演説で「敬老パスに上限を設けるのは本末転倒。言い出した自民に二議席もいらない」と、対抗意識を燃やす。

 公明新人の吉岡正修は公営住宅を回り「伊勢湾台風から六十年。命を守る政治を心掛ける」と約束。議長経験者の国民・加藤一登は街頭で「港区で育った子どもたちが進学や就職で離れても将来帰ってきたくなるまちづくりを目指す」と訴えている。

 減税新人の沢田仁実は自転車街宣で通行人らに手を振り、「河村市長を助ける女性」と書かれた政策ビラを配って回っている。

【守山区】

 「志段味から自民党議員がいなくなったら課題を解決できなくなってしまう。なんとか押し上げていただきたい」

 自民の北野由晴が名鉄小幡駅前で声を上げた。五位当選だった前回、六位の減税議員との票差はわずか十二。定数減に危機感を抱き、志段味地区区画整理事業の推進を駅利用者に強く印象づけた。

 減税は前回の二人から、北野と同級生の新人、河本有子に一本化した。一人で三人の子どもを育て、介護福祉士の経験もあり「志段味の区画整理を進め、子どもたちが安心して遊べる公園、安全な道を造りたい」とスーパー前で訴えた。

 旧民主系は一人から二人に増えたことで順位争いは混沌としている。前回トップの国民・小川俊之は若い世代の仲間と練り歩き「子どもの目線に立った街づくりをしたい」と誓う。新人の立民川口正章は会社経営の手腕をアピールし「中小企業を元気にする」と主張。公明で四期務めた金庭(こんば)宜雄は「子育て世代から高齢者までの声を聞いた上で施策に反映する議員力が問われている」と訴え、共産の現職、榑松(くれまつ)順子は「敬老パスの利用上限を設けず、すぐJRや名鉄でも使えるように取り組みたい」と約束する。

 前回二位の自民、松井良憲は演説会でこれまでの活動をまとめた動画を披露し「さらに安全安心な名古屋、守山を築かなくてはいけない」と強調。幸福実現党の橋本裕子、無所属の浅野共市(ともいち)も立候補している。

 =文中敬称略(統一地方選取材班)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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