統一地方選2019

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<県議選激戦区ルポ> (上)名古屋

2019年3月31日

 二十九日告示された県議選。四月七日の投開票に向け候補者は東奔西走し、舌戦も熱を帯びている。各地で展開されている激戦の現場を紹介する。

=文中敬称略、名簿は届け出順。

■東区

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 自民、立憲民主両党による一騎打ちとなった東区。河村たかし名古屋市長のお膝元で、自民、民主党(当時)、減税日本の三つどもえだった前回選で減税に投じられた票の行方が鍵を握る。ただ東区の市議選は各党が対決する構図のため、減税票を取り込もうとする表立った動きはなく、両陣営とも地道な支持拡大に力を入れる。

 「若い力を県政に届け、暮らしやすい地域づくりに向けて全力で走り抜く」。選挙戦がスタートした二十九日朝。東区を南北に貫く国道41号の交差点で第一声を上げた梅田は、三十九歳の若さと子育て世代であることを前面に打ち出し、支持を訴えた。

 自動車販売会社員から、東区を地盤とする立民の吉田統彦衆院議員秘書に転じ、今回が政界初挑戦。「とにかく名前と顔を覚えてもらわないと」。市議選東区に立候補した立民現職とともに区内をくまなく回り、知名度アップを図る。

 前回七十七票差で減税候補に競り勝った政木は、現職として迎える初の県議選。今回は減税の候補はいないが、陣営は「現職でも楽観視できず、厳しい戦いだ」と気を引き締める。

 頭に残るのは、県議だった父と兄の地盤を引き継いで出馬した二〇一一年の県議選。減税の勢いに阻まれ三千票近い差で落選した。当選後は地域のために尽くすと心に決め、道路環境の整備などに取り組んだ。名古屋市内で自民唯一の女性現職であることもアピールし、街頭では「地域の小さな声を再び、県政に届けさせてほしい」と訴える。 (中尾吟)

■緑区

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 市内最多の五人による乱戦が予想される緑区。市内でも人口増が進み、若い世代や移り住んできた区民の票も勝敗を左右しそうだ。

 毛筆を握り、だるまの片方の目に墨を入れた。「必ずもう一つの目を加えます」。二十九日朝の出陣式で渡辺が宣言した。

 有力な名古屋市議だった父から後援会組織を引き継ぎ、団体や企業をこまめに回る。三十日の街頭演説には大村秀章知事を招き、県政与党の一員として存在感をアピール。「県の一層の発展のためにも絶対に負けられない」と力を込める。

 再選を目指す岡は「四年間の仕事を評価していただく機会」と語り、県営住宅やスーパーで街頭演説を重ねる。防災士や認知症サポーターの資格を持ち「災害や少子高齢化など難題に立ち向かうため、もう一度働かせてほしい」と訴える。三十日にはこちらも大村知事が駆け付け、固い握手で連携を強調した。

 市議からの転身を図る松本が告示日に第一声を上げたのは名鉄有松駅。名鉄出身の元バス運転士で「市議会でも力を入れた交通政策をより広いステージで取り組みたい」と意気込む。選挙カーには八期を務めて勇退する女性県議が同乗。松本の名前にちなみ「議席を守る、緑区を守る私の後継者です」と紹介する。

 四年前は岡と三千五百票差の次点だった満仲は「暮らしに寄り添う県政を取り戻すため、全力で議席を取りにいく」と雪辱を期す。元保育士。現県政を「教育、福祉に冷たい」と批判し、十八歳までの医療費無料化などを掲げて週末はスーパーなど十カ所以上で演説を繰り返す。

 今回の県議選で唯一、維新公認の奥田は「議員報酬削減など身を切る改革を進め、教育や介護支援の充実に生かす」と主張。ポスターには、推薦を受けた減税日本代表の河村たかし市長の顔写真も。一男四女の子育て中で「働きながら子育てするお母さんとも一緒に新しい政治のあり方を考えたい」と呼び掛ける。

 (安藤孝憲)

 

統一地方選の日程

前半戦
知事 告示3/21(木)
政令指定市 市長 告示3/24(日)
県議 告示3/29(金)
政令指定市 市議 告示
投開票4/7(日)
後半戦
一般市長、一般市議 告示4/14(日)
町村長、町村議 告示4/16(火)
投開票4/21(日)
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