<県議選展望> (1)名古屋
2019年3月23日
統一地方選前半戦の県議選(55選挙区、定数102)は29日告示、4月7日に投開票される。最大勢力の自民党に、立憲民主、国民民主両党と無所属の議員らでつくる「新政あいち」などが挑む構図。公明、共産も現有議席の死守を目指す。4年前の前回選で見られた維新、減税などの「第三極」勢力は大幅に減り、立候補予定者は現時点で140人ほど。前回を下回り、無投票区は過去最多になる見込みだ。現段階の顔触れを紹介する。
■千種区(定数2)
辻秀 樹 43 (元)議員秘書 自現<1>
黒田 太郎 52 (元)議員秘書 国現<1>
辻と黒田がそれぞれの支持層を固め、他に出馬の動きは見られない。前回は三つどもえの戦いだったが、無投票の可能性が高い。
■東区(定数1)
政木 理香 56 (元)議員秘書 自現<1>
梅田 泰明 39 (元)議員秘書 立新
前回選で減税と民主の候補を抑え、再選を目指す政木と、元衆院議員秘書で初当選を狙う梅田の一騎打ちとなる公算。
■北区(定数2)
松川 浩明 55 県議長 自現<5>
塚本 久 71 政治団体代表 国現<10>
県議長で6期目を狙う松川と、新政あいち代表で11期目を目指す塚本が出馬予定。ベテラン2人の戦いに割って入る動きはなく、無投票になる見通し。
■西区(定数2)
田中 泰彦 38 (元)議員秘書 自現<1>
鷲野 恵子 71 党県議団長 共現<1>
中堀 隆一 46 (元)議員秘書 立新
島袋朝太郎 42 党非常勤職員 減新
2期目を目指す田中と鷲野は地元の支持固めに余念がない。前回も出馬した中堀は雪辱を期し奔走。減税は島袋を擁立する。
■中村区(定数2)
寺西 睦 54 (元)電通部長 自現<2>
鳴海 康裕 43 党県役員 立現<1>
3選に挑む寺西と、2期目を狙う鳴海は実績をアピール。そのほかに出馬の動きはなく、無投票の可能性が高い。
■中区(定数1)
増田 裕二 44 NPO監事 自現<1>
西山あさみ 29 市議 共新
4人による前回の乱戦を制した増田は2期目を目指し地元をこまめに回る。西山は市議からの転戦。共産支持層以外からの取り込みも狙う。
■昭和区(定数2)
成田 修 57 (元)会社員 自現<1>
谷口 知美 56 (元)中学校教諭 立現<3>
小島 一郎 55 税理士 無新
5人による激戦だった前回、議席を得た成田は再選を目指す。新政あいち県議団幹事長の谷口も支持固めを図る。小島は初の挑戦。
■瑞穂区(定数2)
川嶋 太郎 43 (元)議員秘書 自現<3>
高木 浩司 65 NPO理事 立現<4>
川崎 務 63 不動産管理業 無新
連続4選を目指す川嶋に対し、高木は5期目を目指す。前回は675票差で川嶋が制した。4年前と8年前の名古屋市議選に出馬した川崎は無所属で挑む。
■熱田区(定数1)
華地山義章 50 党支部代表 立現<4>
久喜 政美 30 党支部役員 自新
現職と新人の一騎打ちとなる見通し。ともに衆院議員秘書出身で、赤松広隆氏の元秘書で4期の実績がある華地山に対し、工藤彰三氏の秘書から転身した久喜は街頭などで保守層や若者へのアピールに力を入れる。
■中川区(定数3)
稲本 和仁 60 薬剤師 自現<2>
西川 厚志 49 党県役員 立現<4>
犬飼 明佳 46 党県議会局長 公現<2>
元名古屋市議の稲本、衆院議員秘書出身の西川、党県議団幹事長も務める犬飼のほかに出馬の動きはなく、無投票の公算が大きい。
■港 区(定数2)
直江 弘文 70 党県委員長 自現<9>
安井 伸治 54 (元)市議 国現<1>
加能美恵子 65 党地区委員 共新
10期目を目指す直江と名古屋市議経験もある安井は、前回選で票を二分した。共産は、地元出身の加能が2007年以来の県議選挑戦。
■南区(定数2)
伊藤 辰夫 53 (元)組合議長 自現<3>
久野 哲生 54 会社顧問 国現<3>
ともに4選を目指す伊藤と久野の他に立候補の動きはみられず、無投票の可能性がある。
■守山区(定数2)
南部 文宏 59 (元)陸自隊員 自現<1>
森井 元志 55 党県役員 国現<3>
松原美佐子 70 家庭教師 諸新
再選を目指す南部に対し前回民主で当選した森井は国民から4選を狙う。政治団体代表の松原は4年前の名古屋市議選に出馬した。
■緑区(定数3)
渡辺 昇 50 会社社長 自現<3>
岡 明彦 56 党県役員 公現<1>
松本 守 55 市議 立新
満仲美由紀 53 党地区委員 共新
奥田 真理 35 会社役員 維新
市内最多の5人が出馬する見込み。渡辺は自民県議団政調会長。公明県議団政審会長の岡は再選を目指し、支持固めを急ぐ。松本は、8期で勇退するベテランの後継。満仲は元保育士で、前回に続く挑戦。学習塾運営会社取締役の奥田は今回県議選で唯一の維新候補で減税が推薦する。
■名東区(定数2)
筒井 隆彌 73 団体役員 自現<11>
富田 昭雄 60 党県幹事長 国現<4>
田中 孝博 57 会社顧問 減元<2>
山本 靖也 49 会社社長 自新
元副議長の筒井は12期目、富田は5選を狙う。1995年から県議を2期務めた田中は、愛知維新の会の推薦も受ける。自民は新人の山本も公認して臨む。
■天白区(定数2)
須崎 幹 52 党県委員長 自現<3>
水谷 満信 54 飲食店経営 国現<3>
高橋真生子 44 党県女性部長 共新
県議団元幹事長の須崎と、民主で前回返り咲いた水谷がそれぞれ4選を目指す。高橋は次点だった前回に続く挑戦。
【注】立候補予定者の並びは、現職、元職、新人の順。同じ場合は(1)公認政党の衆院勢力(2)当選回数(3)五十音−の順。自=自民、立=立民、国=国民、公=公明、共=共産、維=維新、減=減税日本、無=無所属、諸=諸派。<>内の数字は当選回数。敬称略。肩書、年齢は23日現在。