地球から2つの惑星が接近して見える現象は一般的に「会合」と呼ばれる。そのなかで木星と土星の会合を「大会合」(Great Conjunctions)と名付けたのは、17世紀の天文学者ケプラーだ。2つの惑星の見かけの角度が0.1度までに接近する大会合は、西暦元年から3000年までの間に7回しか起きない。そのうち、769年と1623年の2回は、太陽に近いため肉眼では観測できなかった。今回の大会合は、1226年3月4日の未明以来、約800年ぶりの天体ショーになる。
21日午後6時に名古屋から見える光景は、以下のようになると予測されている。望遠鏡では、木星のエウロパや土星のタイタンなど、6つの衛星が見えるかもしれない。

大会合が珍しい理由
大会合が珍しいのは、木星と土星が地球と比べて5-10倍も太陽から離れているため、ゆっくり公転しているからだ。
木星は、太陽の周りを一周(公転)するのに11.9年かかり、土星は29.5年かかる。
木星が1周して元の位置に戻っても、その間に土星も先に進んでいる。このため、追いつくにはさらに8年近く公転する必要がある。
この結果、およそ20年に一度、地球から見た木星と土星は、同じ方角に見える。
しかし、接近度合いは同じではない。2つの惑星の公転面がわずかにずれているからだ。
木星は、地球と比較すると1.3度斜めに公転している。
土星は、木星から約13度回転した軸を中心に、地球の公転面から2.5度傾いて公転している。
このため、2つの惑星がどの程度離れているかは、会合ごとに違う。おまけに、地球がどの位置にいるかによって、見かけの角度も変わる。