参院選比例代表は、届け出時に各政党が候補者に順位を付けない「非拘束名簿式」で行われてきた。 有権者は政党名、候補者名のどちらでも投票できる。
政党名票と候補者名票を足した党の総得票数に応じて、 ドント式で各党に議席が配分され、各党で候補者名票の多い順に当選が決まる。
このため、各党の獲得議席数が決まってから誰が当選するか分かるまでにタイムラグがある。
しかし、2019年の参院選から比例代表に特定枠が導入され、各党は優先して当選させたい候補を特定枠として決められるようになった。得票順に当選が決まる「非拘束名簿式」の候補とは別枠で、得票数にかかわらず優先的に当選する。
自民党が主導して2018年、関連する改正公選法が成立した。「全国的な支持基盤がない有為な人材や政党が民意を媒介する上で必要な人材の当選」が目的とされる。制度上、特定枠候補への投票は政党の得票とみなされ、選挙事務所を含む個人の選挙運動は禁じられる。