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総合

中部の立候補者ら第一声 国の未来、舌戦熱く

2019年7月4日

参院選が公示され、候補者の演説に耳を傾ける有権者ら=4日午前10時29分、名古屋・名駅で

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 参院選が始まり、候補たちが第一声を張り上げた。老後の生活は大丈夫なのか、過疎地域の暮らしはどうなるのか、消費税率を引き上げても景気に影響しないのか…。尽きない有権者の不安に各党、候補はどう答えるのか。十七日間の選挙戦は、日本の未来を左右することになる。

◆<愛知>「誠実な政治目指す」「増税すべきでない」

 愛知選挙区(改選数四)は主要七党の候補らが乱立。与野党がしのぎを削る舞台となった。

 与党候補のうち、自民現職の酒井庸行さん(67)は名古屋市中区の大須観音で第一声。「経済、福祉、環境、農業など、たくさんの分野に向き合ってきた。もっともっと前に進めていかなければならない」と六年間の実績と継続の重要性を強調した。「誠実な信頼ある政治を目指す。希望が持てる社会を築いていきたい。そのために行動していく」と誓い、選挙カーに乗り込んだ。

 野党勢のうち立憲民主の新人、田島麻衣子さん(42)は名古屋駅西口でマイクを握り「家計が良くなったという思いを抱いている方があまりにも少ない。今、消費税を増税するべきではない」と安倍政権を批判した。元国連職員。「国連で働いた人間として皆さんの平和を守る。苦しみや困難に耳を傾けて、国政の場で話し合っていきたい」と力を込めた。

◆<岐阜>「本当に安心できる国に」「この地から日本変える」

 岐阜選挙区(改選数一)では、自民現職の大野泰正さん(60)が、岐阜市藪田南の事務所前で声を張り上げた。六年半続く安倍政権の成果を強調し「日本の土台は少し強くなってきた。本当に安心できる日本、岐阜県をつくるためにはもう少し私たちに力をください」と訴えた。「地方の景気はまだ実感できない方もたくさんいる。岐阜が元気になるようしっかり歩ませていただく」と続けた。

 野党統一候補の立憲民主新人、梅村慎一さん(48)は岐阜市神田町の事務所で第一声。「安倍政権は惨憺(さんたん)たる状況」と政府・与党を批判した。「岐阜は保守王国と呼ばれる土地柄。ばらばらでは倒せない。野党統一候補として突き進めるようになったのは運命。岐阜から日本を変えていく」と誓った。

◆<三重>「インフラ整備が重要」「安倍政権継続か審判」

 三重選挙区(改選数一)自民現職の吉川有美さん(45)は津市の津駅前で、白いポロシャツ姿でマイクを握った。自身が新人として戦った六年前、三重選挙区で十五年ぶりに自民党が勝ったことに触れ、「奇跡といえる勝利だったが、今回も厳しい戦いになる」と支援を求めた。九州での豪雨災害に触れて「安心のためにはインフラ整備が重要。それができるのは自民、公明の責任与党だけです」と声を張り上げた。

 野党統一候補の無所属新人芳野正英さん(44)は、地元の四日市市の神社で必勝を祈願した後、市内を自転車で移動。近鉄四日市駅前で第一声を上げた。参院選の争点は「安倍政権を続けるかどうかの一点に絞られている」ときっぱり。老後に二千万円不足する報告書の問題などを念頭に「政治で一番大切な国民の未来を議論することをしていない」と批判した。

◆<滋賀>「新しい希望の社会を」「日本に活力取り戻す」 

 滋賀選挙区(改選数一)では、無所属新人で前知事の嘉田由紀子さん(69)=立憲民主、国民民主、共産、社民推薦=が大津市内で第一声。「まじめに働く人が報われる、支え合い、分かち合う新しい希望の社会をつくりたい」と訴えた。安全保障関連法の廃止や原発ゼロ、消費税増税反対などを訴え「一人一人が抱える問題に対し政治がしっかり答えを出していく。生活暮らし安心社会を皆さんでつくっていきましょう」と呼び掛けた。

 二期目を目指す自民現職の二之湯武史さん(42)=公明推薦=は草津市内で出陣式。景気回復を実感できない人がまだ多くいる点に触れ「アベノミクスの効果やプロセスは途中だ」と訴えた。「効果を実感いただくために、全世代型の社会保障にして日本に活力を取り戻そうじゃないか。それができるのは、地に足がついた政策と実現できる力を持った自公の連立政権しか選択肢はない」と力をこめた。

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