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静岡

迫る参院選 走る出馬予定者

2019年5月26日

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 安倍晋三首相が今夏の参院選に合わせ、衆院解散、総選挙に打って出る衆参同日選の可能性がささやかれる中、「七月四日公示、二十一日投開票」が濃厚とされる参院選は間近に迫る。静岡選挙区(改選数二)に立候補を表明済みの現職二人と新人の計三人は同日選もにらみながら、この週末、はや選挙モードで県内を駆け回っている。

 自民党の県連会長でもある現職、牧野京夫(たかお)氏は二十五日、衆院選党支部の会合をはしごした。

街頭で経済政策を訴える国民民主党の榛葉賀津也氏=25日、静岡市内で

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 島田市内であった2区支部の会場は河野太郎外相が講演に訪れたこともあり、二、三百人の支援者らで満席に。袋井市では3区現職の応援に立ち「ダブル選になるかは五分五分。(六月十九日で調整中の)党首討論後に解散か、なければ会期末で国会は終わる」と見通しを語った。

 自身の選挙については「現政権の継続が争点。(消費増税は)今後の経済指標で変わる可能性もあるが、党としてはこのまま増税の方針でいく」と、国土交通副大臣を務める現職らしいセリフを口にした。二十七日に静岡市駿河区で選挙事務所開きをする。

演説会来場者と握手を交わす共産党の鈴木千佳氏(右)=25日、藤枝市内で

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 静岡選挙区は連合系の統一候補がトップ当選した一九九八年以降、この二十年、自民、民主が議席独占を狙ったこともあるが、両党(民進含む)が二議席を分け合ってきた。

 民主党の後継政党、国民民主党の現職、榛葉賀津也氏は二十五日、掛川市と静岡市の計十カ所で街頭に立った。静岡市役所前では「アベノミクスは残念ながら失敗。大都市と大企業は強くなったが、この国を支える地方都市や市民も元気にならないとだめ」と現政権を批判した。

 「家計の底上げをしなければ、この国の景気は良くならない」と続け、任意加入の自動車保険に補助制度を導入するなど具体的な政策に言及。十連休明けから、参院選の投開票日までに県内千カ所での街頭演説を目標に掲げ、現在、百数十カ所を回った。情報通で知られ、同日選を視野に党内にハッパを掛けている。七月一日に日銀が発表する六月の企業短期経済観測調査(短観)次第だと強調し、「短観をみて『消費増税はできない』となると衆参ダブルはほぼ間違いなくある」と述べた。

自民党支部大会で衆参同日選展望を語る牧野京夫氏=25日、袋井市内で

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 共産党の新人、鈴木千佳氏は二十五日、藤枝市内の五カ所で街頭演説。比例代表の立候補予定者とともに最低賃金の値上げや中小企業支援の充実を訴えた。

 二〇一六年の前回参院選に続く挑戦で、一八年三月に早々と立候補を表明。年初からは各市町を回って小規模集会を開いている。同日選について「党の政策を訴えて支持を集めるという基本姿勢を貫くだけ」と答えた。二十六日は浜松市内で街頭演説を予定する。

 立憲民主党は徳川宗家十九代目で、経済評論家の徳川家広氏(54)の擁立を模索する。立民が候補を立てれば、野党の共倒れを狙って自民が二人目を擁立する可能性が残る。

 参院選静岡選挙区・立候補予定者(改選数二)

榛葉賀津也 52 国現(3)

鈴木 千佳 48 共新

牧野 京夫 60 自現(2)

 ※五十音順

(参院選取材班)

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