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滋賀

与野党一騎打ちへ 野党統一候補、嘉田さん正式決定

2019年6月1日

 今夏の参院選滋賀選挙区(改選数一)で、立憲民主と国民民主、共産、社民の野党四党は三十一日、前滋賀県知事の嘉田由紀子さん(69)を野党統一候補にする方針を正式に決めた。これにより、同選挙区からの立候補を表明していた共産党県常任委員の佐藤耕平さん(36)は、断念を表明。事実上、自民党現職の二之湯武史さん(42)と嘉田さんの与野党一騎打ちとなる公算が大きくなった。

 この日は、嘉田さんと佐藤さん、野党四党の県連幹部らが県庁で会見。嘉田さんは、統一候補になったことを感謝し「何としても強い現職、与党の大きな壁を越えていかなければいけない。愛する滋賀のために働きたい」と決意を語った。

 野党四党の県組織は今年二月、自衛隊を明記する改憲への反対、原発ゼロ社会の実現など、九項目にわたる共通政策を発表している。嘉田さんは「共通政策の実現が大切。安倍政権の横暴に対して、『NO』を突きつけたい」と意欲を語った。

 共産が滋賀選挙区の野党共闘で候補者擁立を断念するのは、二〇一六年参院選に続いて二度目。当時も佐藤さんが断念し、共産の比例代表に回った。佐藤さんは「今後は決めていない。選挙区は嘉田さんの勝利を目指したい」と述べた。

 共産県委員会の石黒良治委員長は、共通政策を練り上げた上で、候補者を一本化した点を強調する。「今回は四党が協議した結果の一本化。(一六年参院選の前回と異なり)野党の関係も良くなっている。力を発揮したい」と意気込んだ。

 これに対し、自民県連の奥村芳正幹事長は「共産を含む野党共闘は、選挙に勝つための野合にすぎない」と批判。その上で「政権与党としての実績とともに、未来を語れる政策を訴えれば、有権者にきっと分かってもらえる」と力を込めた。

 二之湯さんは六月、県内十会場で自民、公明合同の演説会を予定し、夏の決戦に向けて着々と準備を進めている。自民県連は、野党統一候補の民進党現職(当時)を破って議席を奪還した一六年参院選に続き、二之湯さんの再選を狙う。

(成田嵩憲、森田真奈子)

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